―古代DNAが解き明かす新サピエンス史-
著:デイヴィッド・ライク
訳:日向 やよい
発売日:2018年07月27日
ISBN:978-4-14-081751-3
帯「いまや人類の進化は、ゲノム抜きでは語れない。」
・現代人類の自己同一性は、どのように確保されているのか。
・ホモサピエンスは、人類進化の最高峰を謳歌しているのではないか。
・選ばれし民族の純血性は古今から変化なく連綿と引き継がれてきたものではないか
といったような、表層に留まる心地良い考え方を根底からひっくり返すような本。
古代人類のDNAが高精度で分析できるようになった結果、
・現代人には、ネアンデルタール人由来のDNAがある
・現代人には、デニソワ人由来のDNAがある
・人類は、古代から広範囲渡り、移動・流入・流出を繰り返してきた
ということが、証拠を持って判明してきた。
主にデータ量が多い欧州系列について詳しいが、日本人の成り立ちについても軽く触れられている。
DNAの螺旋構造を発見したワトソンは、科学の立場からすると晩節を汚した言動をしたことが紹介されている。
科学の歴史は、直感を信じたり、先入観に惑わされたりすることや、真実を知っていると確信しすぎることの危険がくり返し暴かれてきた歴史だ。(中略)
直感や、わたししたちの周囲にあるステレオタイプの予想を信じてはならない。p369