生物はなぜ誕生したのか

著:ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク
訳:梶山あゆみ
河出書房新社 (2016/1/13)
ISBN:978-4-309-25340-4
原著の題名は、"A NEW HISTORY OF LIFE"であり、46億年にわたる地球環境の各種パラメータの変化が生物の存在形態を決定したという内容で、最新の研究成果を交え生命の共進化史を俯瞰した本。
日本語版の書名は、内容とずれていると思う。
過去の各地質年代が代替わりするときにはそれぞれ大絶滅が起こっている。それぞれの絶滅原因について、古生代の化石、堆積物、氷柱分析から分析をするのだが、気温と酸素・二酸化炭素濃度の激変で引き起こされていると説く。
何故それたの環境変化が発生したか・・・について、従来唱えられてきた要因に加えて、地球内部の質量の変化による地球の回転軸の変化という要素が加えられている。この視点は新しいと思う。
本書では、恐竜滅亡で有名な約6500万年前の白亜紀第三紀(KT)境界大量絶滅は、約6500万年前、としている。
著者の一人、カーシュヴィンクは、「スノーボールアース」言葉を最初に提唱したその人である。
生命の源について、著者は「火星」を挙げるが、では“火星”で、どのようにして「生命」が発生したか・・・という風に堂々巡りになると思うのだが・・・
雑学だが、KTT境界説が発表されたのは、1980年6月6日:ノルマンディ上陸作戦36周年の日だった。(p342)