星屑から生まれた世界

―進化と元素をめぐる生命38億年史-
著:ベンジャミン・マクファーランド
訳:渡辺 正
化学同人(2017/12)
ISBN:9784759819519
38億年間の生命史を「化学」者の視点で解説した本。
化学反応は、条件が整えば、「そのように」反応する。そこには「ランダム性」は無い。
地球上では、その年代毎に元素が定められた通りに反応する、普遍性がある・・・
故に、スティーヴン・ジェイ・グールドが、かの『ワンダフルライフ』で、
生命のテープを巻き戻し、・・・過去の同じ時点から再生したとしても、ヒトの知性が生まれる確率はゼロに近い」p20
という主張に異を唱える。
かなり思い切った説だが、その時の主流に流されずにモノ申すことは、皮相な政治者の(意に沿わない学者に対する)任命忌避という悪手に対する清涼剤的な“菅”を持った。
しかし、化学反応と歴史とは、一意に適合しないと思う。
例えば約6600年前の小惑星ユカタン半島沖への衝突:「K-T境界:K-Pg境界で不可逆的な結果が起きた結果、現在があると思うので、一括りにジェイ・グールドをないがしろにすることはできないと思う。