天路の旅人

著:沢木耕太郎
新潮社(2022/10)
ISBN:9784103275237
著者曰く「超人」:西川一三の「秘境西域八年の潜行」について、西川氏本人生前にインタビューし、本書でその旅を再構成した作品。
ごく最近、木村肥佐生の同様本「チベット潜行十年」をグーグルマップで確認しながら読んだことで、当時と現代の差異に一種幻滅していた。
本書では経路の概要地図が見返し部にあり、主な地名を確認することができる。本文内で記述される詳細地名を一々確認したいところをぐっと我慢して、取り敢えず本文読破をめざした。著者の筆力もあり、一気に読了。

陰日向なく仕事に精出す記述とか、インドで日本人と見破られる場面とか、蒙古ラマ僧に変装していても、大陸人とは違う雰囲気を醸し出していたのだろうが、
日本に帰還後市井の人となりほとんど世に出なくなったところは、反って大陸的な考え方が伺えるのも面白い。