シリコンバレー

スティーブ・ジョブズの揺りかご-
著:脇英世
出版:東京電機大学出版局
発行:2013年10月
ISBN, 9784501555306
本書の前半は、著者が実際にシリコンヴァレイを巡り、歴史的な建物や今ある施設を紹介する形式をとる。
後半は、その地にどのような人々が集まり、時期を得た面々、時代に乗り損なった人々、そして各企業がどのようにして作られ、分かれ、再集合していったかを述べる。
本書では、アップルが設立される以前の記述が主で、スティーブ・ジョブズ自身が描かれるのは、著者の別の書籍となる。
集積回路」の発明者は、ウィキペディアでは、
米国の別々の2つの企業の、2人の研究者による異なった発明にそれぞれ発行された。テキサス・インスツルメンツジャック・キルビーの特許「Miniaturized electronic circuits」は1959年2月に出願され、1964年6月に特許となった(アメリカ合衆国特許第3,138,743号)。フェアチャイルドセミコンダクターロバート・ノイスの特許「Semiconductor device-and-lead structure」は1959年7月に出願され、1961年4月に特許となった(アメリカ合衆国特許第2,981,877号)。
とあるが、本書では、それより先の発明者がいたことを述べている。
スプレイグ・エレクトロニクスのクルト・レホヴェックだ。
1959年4月22日に提出され、1962年4月10日に得た米国特許第3,029,366号
がそれだ。
レホヴェックの勤め先が、コンデンサ製造会社だったことから、経営者から評価されなかった。
特許について、米国のことだから、TIから数十人の弁護士群が押し寄せたが、見事に跳ね返した結果、彼にはこの発明で1ドルが支払われた。(p425)
正しく、
千里の馬は常にあれども、伯楽は常にはあらず。
という故事そのものだ。