アメリカ 自由と変革の軌跡

―建国からオバマ大統領誕生まで-
著:デイビッド・ルー
日本経済新聞出版本部(2009/01)
ISBN:9784532166861
著者は、米国籍ながら、本書は日本語で著されている。
ジェームズタウンに始まる植民と建国、オバマ大統領に至るアメリカの歴史を語る。
本書は、2008年までの出来事を至って駆け足で、著者流の受け止め方で語っている。

例えば、ヘンリー・A・ウォレスの評価。
彼は、ひょっとしてハリー・トルーマンに替わって第33代大統領になってたかも知れない人物。
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」という本で著者は、ウォレスを大いに買っていたが、本書中では
リベラルなインテリで、農業以外の実務には無頓着、大統領の器とは思われていなかった。(p245)
と、厳しい記述をしている。

初めの頃は所謂米国建国史で付き合わされる部分もあるが、日本と米国間の関係が始まると俄然読み進められる。

米国大統領選挙とて、人気投票の性格があり、ましてや副大統領ともなると党内関係者の力関係で決められてしまうが、間が悪いと大統領にまでなってしまう。
それが最善の策でなかったら・・・

尤も、(本)大統領でさえも、統合参謀本部議長が「独裁者には与しない」というほどの不適格者を選出してしまう国。なのだから。