ロケットガールの誕生

-コンピューターになった女性たち-
著:ナタリア・ホルト
訳:秋山文野
地人書館(2018.4)
ISBN:978-4-8052-0923-3
「コンピューター」という用語は、
生きているほうと電気で動くほうp276
の二通りがあり、「生きているほう」の計算手のことを「コンピューター」と称したほうが、語源的には早い。

最初、本書の表題を見たときには、
1960年代にマーキュリー計画と米国初の有人宇宙飛行を支えたNASAラングレー研究所の黒人女性コンピューターを描いた映画『ドリーム』p395
の原作か、とも思ったが、全く違う著者オリジナル作品だった。

映画作品とは違い、カリフォルニア工科大学ジェット推進研究所(JPL)において、衛星軌道計算に携わった女性が多くいたことを、多くの資料・面接取材から紹介した本。

米国の宇宙探査計画の歴史と社会的歴史さらに「電気で動くほうのコンピュータ」の進歩の歴史に加え女性が会社社会において認められる歴史も織り込み、折々の探査衛星の軌道計算に彼女達の優れた能力が(無名のまま)発揮されてきたことを詳細に語る。

当時米国と覇権を争ったソ連では、「衛星軌道計算」は誰がどのように、していたのだろう。