第二次世界大戦

著:B.H・リデルハート
訳:上村 達雄
〈上〉1939-42/〈下〉1943-45
中央公論新社(2023/12)
ISBN:9784120057212/9784120057229
著者の関心は、軍事の歴史(military history)に留まっていたのであり、社会という広い文脈の下で戦いを位置付けようとする戦争の歴史(war history)ではなかった(下巻p480)
というように解説があった。

とはいえ、ヒトラーが企てた戦争を後日、解説しつつ分析し、その勝因・敗因を記述する書籍としての意義は充分にある、と思う。

戦争は、ヒトラー個人の思い込みから始まるが、
枢軸側の指導者はひとりとして自発的後退によって「メンツを失う」ことに堪えられなかった(下巻p456)
ため、「無条件降伏」という不毛な結果に至り、現在社会の軋轢の元にもなっているようだ。
本書では「無条件降伏」を迫らずとも、「有条件降伏」の手段があったと指摘するが、連合国側が(愚かなことに)支持しなかった・・・とも記している。(下巻p458)