世界史を作ったライバルたち

著:アレクシス・ブレゼ、ヴァンサン・トレモレ・ド・ヴィレール
訳:神田 順子、清水 珠代
原書房(2019/03)
ISBN:9784562056453
上下巻の内、下巻の
第15章スターリントロツキー〈同志〉たちの死闘
第16章チャーチルヒトラー ライオン対鷲
第17章ティトーとスターリン 社会主義ブロックの中心の大分裂
第18章ケネディフルシチョフの対決「K」の頭文字戦争
第19章ブッシュ父子対サダム・フセイン 危険な関係
第20章ゴルバチョフエリツィン ソ連対ロシア
が、特に興味深い。
(近)現代史として、教科書では表現しきれない具体的なやりとりが満載で、新聞で報道される当日毎の一断面では分からない組織内部の大局的な動きが、大変よく理解できた。
有名な個別の人物の事柄については、ウィキペディアで簡単に検索できるが、それらの人が各々の歴史的な場面でお互いにどのように反応し、行動したか、までは大量の記述量の中に埋もれてしまっている。
このような種類の書籍は、編者の見方もあろうが、第三者的に記述されている有難いものである。
あの有名な池上 彰氏のネタ本にもなっていることだろう。
キューバ危機の時、ケネディは、カーティス・ルメイが開戦論を唱えたのに対し、
「彼ら将校は全員、わたしたちと比べてとてつもなく有利な立場にあるのです。彼らがまちがいをおかすと、かれらのまちがいを指摘するまえにわたしたちは消滅してしまうのだから」。下巻p213
と言い、軍部を抑えた。 彼により地球は救われた。 が、暗殺された。