応仁の乱

―戦国時代を生んだ大乱-
著:呉座 勇一
中央公論新社中公新書(2016/10)
ISBN:9784121024015
著名本。
教科書中の説明では、概要を説明することは難しく、日野富子に原因をおっ被せて、細川勝元山名宗全が争い長期化した闘い・・・という記述だったように覚えている。
歴史本は、後年の俗受け読み物化した講釈本を書き写すと簡単に仕上がるが、著者の歴史認識に沿った内容になることが多く、第一次資料を読み込むことが肝要になる。

著者も、最近の歴史本について、第一次資料の重要さを指摘していた。

本書は、興福寺別当尋尊の尋尊大僧正記に加え、最近定本が発行された大乗院門跡経覚の経覚私要鈔も読み込んだことで、何故込み入った争いになったのかを丁寧に説明する。。
NHKでも歴史番組で、本書に依った視点で紹介したことがあるような気がする。

登場人物が多く、読み進むうちに、「はて、この人はどう読むんだだっけな」となることが多々あった。
諫(いさ)め(p38)、威嚇(いかく)(p42)等にわざわざ振って下さらなくてもよいので、各章初出時毎にフリガナを入れてくださると、物覚えが悪くなった記憶のためには、より有難かった。