世界史を創ったビジネスモデル

著:野口 悠紀雄
新潮選書
新潮社(2017/05発売)
ISBN:9784106038044
(ウェブ上の)内容説明
歴史上の国家を“企業”、その活動を“ビジネス”として理解すれば、新たな視点が得られる。ローマ帝国の盛衰、大航海時代の競争、さらには現代のAT&T、グーグル、人工知能についても…。人類が経験してきた「成功」と「失敗」の数々から導き出される「歴史法則」とは?停滞する日本社会を打破する「フロンティア」がここにある。
 
「幸せな家庭はどれも似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸だ」p439
トルストイの「アンナ・カレーニナ」の言葉を引いて、著者は成功と失敗は非対称的と述べる。
国家でも、ローマ帝国は、各種の条件を満たした結果大帝国となり反映したが、各種の原因で衰退した。
その後、ポルトガル、スペイン、イギリスが順番に栄枯盛衰した。
その原因は、国の運営という一種のビジネスモデルが機能したか否かによる。
翻って、現代企業でもその「ビジネスモデル」が時代と合致すれば、パラダイムシフトを発生させることができる。
成功は、累々たる屍の上に咲いた一輪の花なので、花を咲かせるためには過去の失敗例に学ぶことが必要と著者は説く。
本書前半の「ローマ帝国」の記述が大変分かりやすかった。