文明

-西洋が覇権をとれた6つの真因-
著:ニーアル・ファーガソン
訳:仙名 紀
勁草書房(2012年7月)
ISBN:978-4-326-24840-7
西洋文明の分析については、ジャレド・ダイアモンドの、「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」が先に世に出ていたので、本書でも言及されている。
著者なりの、それらに続く西洋文明論である。
カバー絵画:トマス・コールの「帝国の推移」が文明の必定を表す。
北米と南米の社会制度が何故こうなってしまったのか・・・という分析は、首肯できる。
中国の台頭と西洋文明の現状更にはイスラムの対抗と時宜を得ている。
とは思うが、昨今の世界的パンデミックの席捲は“想定外”であったろう。

ローマ帝国は如何にして滅んだのか・・・という分析:様々な要因で各方面壊滅、という分析を敷衍すれば、現代社会もそのような「想定外」で、あれよあれよという間に衰退することもある。という想定ができるかもしれない、と読むべきか。

さすればどうすべきか・・・について、著者は、
私たちはかわいい孫のことまでは考えられるが、その先の世代までは思いが及ばない。(p475)
という「システム2」の軛の中に存在している。

混血にも、メスティーソムラート・サンボ・カスタと種々表現があることを知った。