ホモ・サピエンスの宗教史

―宗教は人類になにをもたらしたのか-
著:竹沢 尚一郎
中央公論新社 中公選書(2023/10)
ISBN:9784121101433
本書は、あの有名なユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」の宗教の起源とその歴史的変化についての記述に対して
・強引さと飛躍に満ちている(p13)
・現在を過去に投影した架空の物語にすぎない(p14/p413)
と批判している。

宗教とは、
・神が与えたもの
・人間がつくり出したもの
という二つの見方がある
本書は、「当然」後者の立場から述べている。(p15)

ヒトの進化と共にアニミズム的な儀礼から多神教の確立、そして世界宗教への展開更なる改革更にその隘路について、幅広く説明を受けることができる。

何故、キリスト教イスラム教(どちらも一神教)は、多くの信者を擁しているのか・・・について、かねてから疑問があったが、その答えを得られた(ような気がした)。

キリスト教や仏教は、「世俗からの離脱」を求めるが、イスラム教については聖俗一体であり自分たちの行為は、正しい:優越者の宗教、として捉えられている(p316,7)
という説明には、首肯できた。