パール・ハーバー

―恥辱から超大国へ-
著:クレイグ・ネルソン
訳:平賀秀明
白水社(2018.8)
ISBN:9784560096468/9784560096475
原著は、2016年。
旧日本軍による突然の真珠湾攻撃。当時の秘密分を含む各種資料を基に、著者は公平な立場から急襲前から終戦後に至るまで、当事者の記録を丹念に拾い上げている。

パール・ハーバー」という米映画もあったようだが、未見。
恐らく、映像表現では本書内容の再現は難であろう。
と思っていたところYouTubeに「トラトラトラ」があり、拝見。
映像ではまた違った表現の著し方がある。

巷で囁かれている、米国は(事前に)奇襲を知っていて、航空母艦を港外に避難させていた・・・ということ。は、本書を読めばピント外れの妄言であることが分かる。

半藤 一利著の「戦争の時代」でもあったが、
もし仮に、日本の開戦を承諾しなければ、陸軍はクーデターを画策し、身柄を拘束されるか、あるいは暗殺されていただろうと。(上巻p203)
という、同様の話をマッカーサーに語ったとされている。

戦争は、やられた方がより被害者意識が深い・・ということがよく描かれている。

訳文が大変優れていて、大変読み易い。