〔ダイジェスト版〕オリバー・ストーンの「アメリカ史」講義

著:オリバー・ストーン、ピーター・カズニック
訳:夏目 大
ISBN:9784152096272
早川書房(2016/07/22)
以前、NHK-BS1BS世界のドキュメンタリーで、「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」を見た。
本書の内容は、ほぼその内容に準じている。
書中、キューバ危機の中で「核戦争を食い止めた男」が紹介されている。
1962年10月27日、潜水艦を探知した空母ランドルフはそれを追跡し(中略)水中爆雷の投下を開始した。ソ連の潜水艦が核兵器を装備していることは知らなかった。
潜水艦は爆発の衝撃で揺すぶられ(中略)艦内の気温は急上昇し、二酸化炭素が致死レベル近くまで上がり、乗員は呼吸困難で次々に気を失い(中略)そんな状況が4時間近く続いたのち、(中略)パニックが広がる。バレンチン・サビツキー艦長は、司令部への連絡を試みたものの、失敗に終わった。戦争がすでに始まったものと判断したサビツキーは(中略)核魚雷の発射準備を部下に命じた。(中略)艦内の二人の将校に意見を求め(中略)たうちの一人が政治将校ワシーリー・アルヒポフ(ヴァシーリイ・アルヒーポフ)だった(中略)
彼は、気持ちを鎮めて発射は中止すべきと艦長を説得した。この判断が、核戦争の勃発を寸前で防いだということになる。p287
ウィキペディアには、同様の偉人:スタニスラフ・ペトロフの項目もある。
この他にも、(有名ではないが、)同様のギリギリの瀬戸際で踏みこらえた名も無き人々が(おそらく)いらっしゃったことにより、今の我々が居る・・・ということに心をはせるべき、と思う。