暗い夜空のパラドックスから宇宙を見る

著:谷口 義明
岩波科学ライブラリー322
岩波書店(2023/10)
ISBN:9784000297226

「夜空が明るく輝かない
 太陽が沈めば当たり前?
 宇宙が有限だから?
 膨張しているから?・・・
 意外なわけを確かめて真の宇宙の姿を手にしよう。」

本書は所謂「オルバースのパラドックス」解説本である。
当該パラドックスについては、2005.06/05に取り上げたことがある。

当該書では、「星の寿命が有限だから」というケルヴィン卿の説を取り上げている。

そんなもんかいな・・・と思っていたら、本パラドックスの解決法は多くあって、
・宇宙の有限性に注目したもの
・宇宙の階層構造を理由にしたもの
・宇宙膨張を理由にしたもの
等があることが解説される(p18/p66)

著者は、
自分で解決法を確認することなく「過去の文献に書いてあることを鵜呑みにして(中略)紹介して済ましてしまう傾向が出てきてしまう(p105)
と指摘する。
そして、本課題については定量的に、
「宇宙には夜空を明るくするほど星をつくる物質(エネルギー)がない」
という解決法を提示する。(p105)

また、全天は太陽面のおよそ21万個分であることも記載されている。(p9)
(2005.06/05紹介本では、全天は太陽面のおよそ18万倍であると記載)