伊丹十三選集

一、日本人よ! 編者:松家仁之
二、好きと嫌い 編者:中村好文
三、日々是十三 編者:池内万平
岩波書店(978-4-00-028118-8、978-4-00-028119-5、978-4-00-028120-1)
独身時代『ヨーロッパ退屈日記』を読んで、世の中に一流人が存在することを知った。
切り口は独創的で、
「アール」の発音の仕方(一、p429)
ルイ・ヴィトンの「爪皮」(二、p49)
・スパゲティの「アルデンテ」(二、p76)
の内容は、今でも覚えていた。
映画『お葬式』で、映像表現の仕方、その普遍性描写は肯綮に中ることに感心した。

今回、三、p166の、
中村雄二郎氏によれば、無知というものは知の欠如したがらんどうの状態をいうのではなく、むしろ、目の詰んだ誤謬の織物であるということで(中略)無知であればあるほど、私は善悪を、しかも強い口調で語っていたように思います。
更に続く、三、p176-181の「夜泣き」は、
次男のそれに直面した経験を、2017/06.26にも記していて、その頃よく広告で、
“子育て中ママを応援する樋屋奇応丸。赤ちゃんの夜泣きや子どものイライラなどに効果を発揮。”
というのがあって、よっぽどそれに奔っておすがりしようかとも思いつめる(寸前だった)。
その原因についてを今更知ることとなり、胸に深く反省することが多くあった。

著者は映像関連のTV-CMでも大変独創的な試みをされていて、
CM内容が全部逆回しとなっているものがあったように覚えている。
試しに、「YouTube」で過去のCMを検索したが、当該のものは見つけられなかった。