ドイツのVWのゴルフに最近、「TSI」なるものが加わった。
1400ccに2種類の過給装置を付加したモデルである。
最先端のギミックを搭載した、いかにも触手が伸びそうな仕様である。
かつてゴルフに乗っていたことがある小生から言わせたら、
「しばらく、待て。」
の一言である。
本当に優れたメカならば、全てがその流儀を取り入れるはずであるから、今急いで人身御供になる必要も無い、ということである。
制音を目的として逆位相音を発生させるとか、後輪ステアとか、一時期華々しく宣伝したものの、その後の消息を聞かないメカは数多い。
この場合は、クルマのターボ・メカの耐久性に疑問がある。
F1を例にとる。
リッチー・ギンサーがドライブしたホンダRA272改は、今でも(重要なセレモニー時に)走行することができ、また一時期定番と謳われたフォード・コスワース・DFVエンジン搭載車は、好事家の手でメンテされ各種旧車レースでお目にかかることができるが、ターボエンジンにシフトした以降のタイプは、とんとご無沙汰であるからである。
すなわち、日本の高温多湿下では、エンジンルーム内環境がメーカ想定温度以上になることが予想され、そのためターボ機構系への悪影響が未評価であろうからである。
寒冷なドイツの地での評価をパスしても、日本で本当に実用に供することができるか、疑問が残る。おそらく、VWJは、実車販売(投入試験)を経て評価・改良・見直しをすると思う。
コンベンショナルなスタイルが、耐久性においては、一番であると思う。