ザ・ロード

著:コーマック・マッカーシー
訳:黒原 敏行
出版:早川書房(2008/06/25 )
ISBN:978-4-15-208926-7
昨年、米国で封切された映画の原著。
最初、独特な文章に違和感を覚えたが、慣れるとその世界の表現方法として、あり、かと思った。
根底に流れるのは、米国によくある、過去中東遊牧民の一特定部族によって採用されていた説を採り上げた思想的な史観。
彼らにしてみたら唯一の 神としてのその概念は欠かせないものだとは認めるが、
「世界全体」の観点からしては、人類の大半が死に絶えたその状況下では、
局所的な位置に留まらざるを得ないのではないか。
同様の状況設定で、各国の作者が描き出す物語は異なると思う。
となると、世界の終末の捉え方は、国によって異なるということか・・・
小生としては、
楽天の「長恨歌」中にある、
天長地久有時盡:天は長く地は久しくとも、時有りては尽く
を押したい。