指紋を発見した男

―ヘンリー・フォールズと犯罪科学捜査の夜明け-
著:コリン・ビーヴァン
訳:茂木 健
主婦の友社 (2005/05/20 出版)
ISBN: 9784072412589
現在の犯罪捜査時の基本である指紋採取であるが、昔から指紋の有効性が知られていた訳ではない。
世界で最初にその特長を見出したのは、ヘンリー・フォールズ。
彼は、明治初期、宣教師・医師として来日中に指紋の効果を発見していたが、英国帰国後数多くの困難に遭遇し、生前はそれが世に認められることもなく、悄然とこの世を去った。
この本は、その評伝のみならず、犯罪捜査の歴史をからめて、彼の前に立ちはだかった上流階級出身のフランシス・ゴールトン(優生学の生みの親、ダーウィンの従兄弟)らの行動等を余すところ無く描いている。
死後、彼の功績は正当に評価されていることを知ることができ、そうでなければやっていけないな、と感じるところがあった。