ひとかけらの化石に宇宙をみる

著:箕浦幸治
岩波書店 (1999/01 出版)
ISBN:9784000066655
2011.4/2紹介の箕浦幸治東北大学教授の著書。
少々長くなるが、引用する。
 
筆者はある機会を得て仙台平野で津波堆積物の調査を行った。
(中略)
仙台平野に津波は来襲しないというのが人々の理解であった。津波堆積物という代物は、妄想にとらわれた研究者の寝言であると思われていたのであろう。
(中略)
仙台平野での地層の掘削により、地表から地下1.5メートルまでに四枚の厚い津波堆積層が発見された。これらのうち上位二層は、炭素年代から八六九年の貞観津波と一六一一年の慶長津波に対比された。いずれの津波も。多くの犠牲者を出す大災害であったと、古文書に記述されている。この研究により、過去三千年間に約八百年の間隔で巨大津波が仙台平野を襲った事実が明らかになった。堆積層の分布から、津波は平野内陸部四キロメートルまで遡上したと推定される。想像を絶する出来事であった。(p21〜23)
 
貞観地震から、慶長地震で一度断層が動いてストレスが放出されたため、その後の大規模断層移動は今回の時期となったのであろう。
昨日と今日は同じようだが、約6550万年前のある日:ユカタン半島に衝突した地球外物体により恐竜が滅んだように、ある日ある時に、破局的な事態が発生することを忘れてはならない。