記憶の春の歌

彼岸が過ぎ、温かくなると思わず口ずさむ歌がある。
寒くて震えている頃はまだそんな気にはなれないが、陽気がそうさせるのか・・・
それは、「およげ!たいやきくん」と「木綿のハンカチーフ」。
就職して、現場に配属になり、茨木市の寮から新大阪駅にある大阪電気所に通勤するようになったころよく聞いた曲だ。
社会人になり、(それまで行ったことがなかった)一杯飲み屋に職場の同僚から誘われて行く道すがら流れていた。
サルバドール・ダリは、インタヴューで音楽のことを聞かれ、「あれは、昔のことを思い出すから嫌だ。」と答えた、という。
大岡信氏は、「折々のうた」で紹介する詩歌の選定はほかでもないその日の気候雰囲気を感じてなされるもので、事前に準備することはとてもできない。とおっしゃていたようなことを覚えている。
その時々の昔のはやり歌は、まさにそのころどうしていたか、をほろ苦く思い起こさせる。