「コースター」を読み込む

秋葉原「グッドマン」でかつて「コースター」が200円で売られていた。
それは、CD最内周部に存在するTable Of Contents(TOC)を読めなくするように同心円状に5mm幅ほどヤスリをかけられていた、CD状物体であった。
通常のCDラベル面には何らの印刷無く、銀色反射鏡状態。最内周部にXから始まる型番が刻印されているだけの代物。
であるから、「CD」ではなく、「コースター」として売られていた訳だ。
おそらく、どこかのCD製作試作品が流出して、売られていたものだと思う。
そのころから、そういうものは大好きだったので、型番がダブらないように30枚ほど買ってみた。
@200×30=6,000円だから、中身が皆目見当つかないもの買い込むなんて、「バカ」である。
しかし当時CDはまだまだ高価な存在だった(定価3千円以上はしていた)ので、銀色円盤コースターに音源拡大を託したのである。
で、結果は・・・
なんとすべてが「一応」再生できたのだ。
流石、リードソロモン符号の強力な誤り訂正方式。
内容は、軽音楽、交響曲、ロック、声楽曲、ジャズ等千差万別。
最大の難点は、それが何というタイトルのCDであるかが不明であることであった。そのため、その後からお蔵入りしていたのだ。
美術作品でもそうだが、表題はその作品を理解するためには必須であると思い知らされた。それが何かが認識できないとそれを楽しむことができないのであった。
#ダリの「記憶の固執」または、ビートルズの「ア・デイ・インザライフ」。それらは、そのタイトル自体で、既にメッセージを発信している。
 
そのため、その後はお蔵入りとなっていた。
最近、別件の探し物中それらをたまたま見つけて、ふと思った。
今は、iTUNESCDDBがあるので、これがヒットしないだろうか。
PC内蔵のCD-ROMドライブでは、CD再生機で試したような色々なテクが使えないので、6枚が認識不可となったが、大多数のそれらの曲名が明らかになった。
さすが、天下のCDDB
改めてタイトルが判明すると、プリテンダーズ、ヴィヴァルディ四季、ベニーグッドマン等多士済済。また、Eduard Tubinの交響曲のように、普通ならまず買わないものまであった。(その交響曲の内容はイマイチ、であったが)
6枚中2枚は、最内周部をティッシュペーパで磨くことで読み込みができ、最終的に4枚が再読不能という結果になった。