パクリ経済

―コピーはイノベーションを刺激する-
著:カル・ラウスティアラ、クリストファー・スプリグマン
訳:山形 浩生/森本 正史
みすず書房(2015/11発売)
ISBN 978-4-622-07940-8
ウェブの内容説明(抜粋)
パクリはあらゆる場所にあふれている。「コピーは創造性を殺す」「法律によるコピー規制がイノベーションには欠かせない」―通常はこう考えられている。しかし、コピーは絶対に悪なのだろうか?
 
本書は、ファッション、レストラン、アメフト、コメディアン、フォント、データベース産業など米国内での"コピー"の状況を紹介し、影響分析を分析する。
「コメディアン」をコピーするって???実態は、ジョークねたのコピーのことだ。
驚いたのは、共和党のトランプ氏の有名な「メキシコとアメリカの国境壁」の演説。
彼がオリジナルではなかったのだ。
当該部分を、引用する。
少なくとも4人のコメディアンが、メキシコとアメリカの国境壁に建設について似たようなジョークを話している。最初にアリ・シャフィールがこのジョークを2004年3月の「ラテン・ラフ・フェスティバルで、披露したことが記録されている。
[カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワツェネッガーは]州内のメキシコ国境全域にレンガ壁を建てたいらしい。(中略)でも俺は言いたいね。「よお、シュワちゃん、それでその壁をいったい誰に作らせるつもりだい?」(p152)
同様の話の別ヴァージョンも、カルロス・メンシア、D・L・ヒューリー、ジョージ・ロペスも披露していて、下記で見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=kPuu_VE7KOA
視聴回数は、1,000,000回を超えている。
日本ならピンとこないが、米国ではメキシコ国境壁のネタは下地がある・・・ということなのだ。
 
マジックのネタバレでは、同じくyoutubeで、
Val Valentino
で検索すると面白い。
 
また、レコード・CDの売り上げが衰退した原因は不法コピー・・・ということになっている。
一時期を席巻したナップスターだが、違法として打ちのめされてしまった。
著者は、もう少し長期的な視点を持てば、音楽産業レーベル側も影響を持ち続けることができたのではないか・・・と分析している。
ナップスター
 聞いたその日からー
 音のとりこにー
 とりこになりました。ハッフッホッ
 やっぱり一番ナップスター
閑話休題
コピーに対抗する一番の手段は、本物しか味わえない体験・・・だという。
ローリングストーンズのミック・ジャガーの跳躍を生で見る・・・ことはMP3ファイルでは不可能だ。