手塚治虫の作品「安達が原」からヒントを得た

登場人物
ランタム(25) 宇宙防衛隊隊員
ナナム(24) ランタムの妻
老女(?) 惑星宿場の主
  
〇ランタムの自宅の食卓(夕)
 妻のナナムがランタムに食事を出す。
ナナム「ごはん冷めてるけど」
ランタム「いいよ。きみの料理は冷めてもおいしいんだ」
ナナム「あら、ありがとう。
    ところで、急な今回の任務は何時頃終わるの?」
ランタム「それが分からないんだ
     相手次第、というところ、かな
     食事が終わり次第、出発だ」
ナナム「食べるものに気を付けてね、わたし、絶対待っているから」
 
〇とある惑星宿場
 上記から、時を置かず宇宙戦争が勃発。自然環境が激変。
 それからさらに数十年後 、荒廃した惑星の中で営業中の惑星宿場。
 ぼろぼろの状態で宇宙船が、宿場前に着陸。
ランタム「やっと着陸できた。宇宙航法機が故障して、
     ここがどこか不明だ。3年経ったが、
     相対性理論の効果で、この惑星系の年代もわからない」
老女「おお、お若いの・・・ お前、あな・・・
   あたりは、宇宙戦争でやられちまったよ
   なにか食べて、泊まっていくかい」
ランタム「そうだね、あるものでいいよ」
ランタム(M) 「怪しい老婆だ。毒が入っているかもしれないので、毒消し薬を飲もう」
老女「熱いうちに、どうぞ、召し上がれ」
ランタム「ありがとう」
ランタム(M) 「毒消し薬のせいで、味がしない。ま、食えればいいか」
 
〇惑星宿場の一室
 周辺は静まり返っている
ランタム(M) 「よし、調査開始だ」
 ランタムは、地下室内に、無数の白骨があるのを発見。
 そこへ、老女が現れる。
ランタム「お前は、魔女だったのか」
老女「生き残るために、立ち寄った者どもを殺し食らいながら生きてきた
   その理由を、これから・・・」
ランタム「ええい、問答無用」
 ランタムは老女を殺す。
 
 夜が明ける。
 空腹を覚えたランタムは、前夜の残りの食事を摂る
 一口食べたランタム。
ランタム「こ、この味は・・・私が殺したのは、ナナムだったのか。
     毒消し薬の副作用で分からなかった・・・」