DARPA秘史

-世界を変えた「戦争の発明家たち」の光と闇-
著:シャロン・ワインバーガー
訳:千葉敏生
光文社(2018年9月)
ISBN 978-4-334-96223-4
国防高等研究計画局:DARPAは、ARPAの時期にインターネットの原型であるARPANET及び現在の「GPS」の原型の考え方を開発したことで知られている。
「秘史」とあるように、米国ならではのトンデモない、
ソ連ICBMを撃ち落とす方策
ベトナムのゲリラ戦対策のための枯葉剤
・敵レーダー補足から逃れられるステルス機
の舞台裏が描かれる。
ダイナミックな構想は、逆説的だが、
アメリカが戦争に関与しなくてすむ技術、そして仮に関与することになったとしてもすばやく勝利をもぎ取る技術を開発する(p511)
を目的として、
職員全員は3~5年入れ替えられる(p513)
という組織から生まれた。←ということは、日本では無理。
現実・実態に即さないWASPの視点から、STAR WARSは失敗し、ベトナムでは奇形が生まれてしまった。
クルマの自動運転、ガリウム砒素チップ、ビッグデータ分析等は、やっと時代が追いついてきた感があるが、“闇”の要素が多すぎた組織。