マルホン

国鉄には、「マルホン」という超特急出世コースがあった。
本社採用者のことで、職員名簿内に、「本」に丸印がつけられていたことから、
この呼び名がついたと言われている。
マルホンは、20歳台で助役(管理職)登用されるので、年上の部下ができることになる。
職制上、部下に対しては「君」付けで構わなく、またそのようにして国鉄としての組織も問題なく廻っていた。
が、民営化され外部の風が吹いて、仕事の進め方が変化しようとした頃、マルホンの人が部下を呼ぶとき、「・・ちゃん」と呼ぶようになった。
なぜか。
民営化新規会社設立時、マルホンは建前上無くなったが、実質上存在する。
「・・クン」では、外部から入社したその人に対して礼を失する。
「・・さん」では、上司である自分の矜持を保てない。
で、苦し紛れに考え出したのが。「・・ちゃん」なのだ(と思う)。
女性社員には大変奇異に思えたようで、「変〜」と言っていたそうである。
これは、もう10数年前のことなので、今はそうでは無い、と信じている。