初めて買った財布

小学校低学年だったか、北居都神社の夏祭り(お祇園さまと言っていた)。
お祭なので、親から100円札を頂いた。
夜、自宅から1kmほどの小山にある祭礼に行った。
小遣いを入れるサイフが欲しく、ここに行けば買えると思ったのだ。
参道を上がる。
両側に夜店が出ている。
人がたくさん出ている。
照明のカーバイド灯の(不純物の)香りがそこら中に漂う。
頂上まで行くと店がなくなるので、途中の露店で買った。
70円。
鰐皮風のビニル製サイフだった。
おつりの30円を早速入れた。
他には買うもの無く、ポケット内のサイフを確かめながら帰った。
初めて自分の財布を持つことができ、嬉しかった。
暫く使ったが、最後には高周波融着部が分解してきたことを覚えている。