リンネとその使徒たち

―探検博物学の夜明け
ISBN:9784409510209 (4409510207)
刊行:人文書院
著:西村 三郎
二名式学名の設定という、生物分類を確立した博物学者リンネと彼の強い感化をうけ、未分類モノを求め異境へ学術探検を行った弟子たちの残した知られざる物語。
アメリカ新大陸に渡ったカルム、アラビアの荒野を彷徨し最後は客死したフォルスコール、鎖国時代の日本に来たツュンベリー(ツンベルク)。
「神の御手」により、自然の「全て」を掌中に納めたい、という当時の風潮。即ち、啓蒙の時代と言われる18世紀を具現化する、欧州からの博物趣味の権化。
彼らが行わずとも、いずれ、同様の採集・分類は、現代社会を構成する礎として必要であったと思う。
西洋文明は、それ自身が持つ性向として、神の意向を具現化する手段が必要なことから、博物分類に進まざるを得なかった。それから結果的に、現代文明が生成されている。