フーコーの振り子

科学を勝利に導いた世紀の大実験
著:アミール・D・アクゼル
訳:水谷淳
早川書房、2005年10月
ISBN:4-15-208680-7
地球が自転していることを示す「フーコーの振り子」は、大きな博物館の基本的な出し物である。(上野の国立博物館にもある)
歴史的には、彼がフランス・パリのパンテオンで公開振り子実験をしたことで、認められたと小生は今まで解釈していたが、実はそこに至るまで色々あったことがよく分かる本。
2007.8/7「万物の尺度を求めて」で、1メートル標準化に挑んだドランブルとメシェンの偉業を取上げた。その本では記述が無かったようだが、彼ら二人を継いた完遂させたのはフロンソワ・アラゴーであったとは知らなかった(p71)
海王星発見の経緯も、リチャード・コーフィールドの「太陽系はここまでわかった」とは違う観点から描かれているのが興味深い(p167)
2005.4/25に、「地球が自転している証拠」で、落下物が東にずれることに対して疑問を呈していたが、小生の考え違いであったことが分かった。
回転中心から遠い(高い位置)から物を落とすと、前進する力が生じ、これを「コリオリ力(りょく)」という、のだそうだ。
コリオリ力により、北半球の気団は(南風は西側に、北風は東側に各々それて)すべからく左回りとなるべしなのだ。
ただ、落下測定はいろいろな誤差が入り込む要素が大きく、再現性に乏しいようだ。