スーパーカー誕生

著:沢村 慎太朗
出版社: 文踊社 (2008/10)
ISBN-13:978-4904076088
700頁余にもなる分厚い本だが、一気に読める。
面白い。
高価なクルマは誇示的消費の際たるものだが、それを造ったのは、生身の人間であるという自明のことを改めて認識できる。
フェルッチオ・ランボルギーニ氏がスーパーカー市場に打って出たいきさつはウィキペディアの彼の項目にもその伝説があるが、この本でも実際に筆者が近い関係者から聞いた内容が語られている。
トヨタミッドシップ初代MR-2の悲しい話もちらりと出てくる。
CG誌では、一連の高性能車をエキゾチックカーと称していたが、1970年代に「スーパーカー」という名称がかの「サーキットの狼」で一躍世間に広まった。
小学生がカメラを手にそれらの写真の撮影にいそしんで、あまつさえエンブレムを車体から剥がす所業にまで及んだ。
ブーム中は、神戸に住んでいた。
東灘区住吉東町四丁目2号線沿いのクリーニング店:白洋社の隣にあった外車屋に展示されていた中古フェラーリ・ディノのボンネット上にあるべき「それ」が無く、空しく四角形に凹んでいたことを覚えている。
その頃のあれは、幾ら位の価格だったんだろうか・・・