スティーブ・ジョブズ

著:ウォルター・アイザックソン
訳:井口 耕二
講談社 (2011/11/01 出版)
ISBN: 9784062171267
前回は下巻であったが、今回は上巻で、順番が逆になった。
カリフォルニア州シリコンヴァレイの地で勃興し、パーソナルコンピュータ部門での風雲児に筆頭は、アップルコンピュータであろう。
スティーブ・ウォズニアックは、かつてヒューレットパッカードに勤務していた。
かのHP社は、計測器メーカとして戦前の起業である。
HP社の計測器は、概観の機能美のみならずその内部基板がたいへん美しいことにいつも感銘を受ける。
高性能な機器は、必然的に最適化されるものであると実感する。
ジョブズは、製品の外観にこだわったらしいが、Macの内部構造の変遷を見ると外観のこだわりが内部にしわ寄せされていた時期があったと思う。
本書は、ジョブズ本人の伝記なので、Mac開発当初のエピソード比率的に少ないが、なぜ起動音をそのように決定したか、なぜバススロットを搭載することにしたのか・・・のいきさつくらいは盛り込んで欲しかった。
ジョブズがリサを連れて東京に行き、ホテルオークラで父子が穴子を食しながら打ち解けていく部分(p401)のリサの言葉の翻訳部については、訳者が表現に苦心したことが伺えるが、もうわずか意訳傾向に傾いたほうが自然であったかな・・・と思う。