騒音の歴史

騒音の歴史
著:マイク・ゴールドスミス
訳:泉 流星/府川 由美恵
東京書籍(2015年)
ISBN:9784487808113
清音の薀蓄を語る書籍は多いが、本書は嫌われ者の「騒音」についての過去からの認識を分析する。
「騒音」の定義は、「望ましくない音」「場違いな音」「意味が無い音」とされる。
ギリシア古典の歴史書から、戦に伴う音響の表現を語り、中世ロンドンの物売りの叫び声、また産業革命での蒸気機関が発生するものを上げて騒音を語る。
個人的には、人間の肉声の伝わる限界距離を克服した、PAアンプ・ラウドスピーカが発明された以後の騒音の考え方の変化を知りたい。
エイブラハム・リンカンが生きていた頃は、PAシステムは無かったと思うが、その演説はどのように為されたのであろうか?
p74で、インピーダンス不整合の例として、テント用ペグを上げるが、好例とは思われない。
p161で、
音の強さ(エd)の測定器
とあるが、意味不明である。
p163で、A特性音圧レベルが語られるが、それに繋がる基本的な、
人間の音に対する聞こえ方:周波数と音圧の関係を表すフレッチャー・マンソン曲線(ラウドネス曲線)
のことが出てこない。
以上のように、音を扱う書籍としては、物足らない点が多い。
 
夕方、芝生刈り