―古今東西の暦の「謎」を読む-
著:上田 雄
監修:石原 幸男
彩流社(2009/02発売)
ISBN:9784779110436
先日、Iさんと雑談をしていて、ふと
「8月は、かのローマ皇帝アウグストゥスが強引に付けたんだよ。」
と言ったら、「ええっ、そうなんですか!」
とひどく驚かれた。
その時はそれで終わったのだが、後からそういえば、7月もローマ皇帝が関係していたっけ・・・と、うろ覚え状態だったので、はっきりさせようと2009.06/01に紹介した本を再読。
古代ローマのロムルス暦の一年は、春分日を起点として開始。
1月 Martius・・・マルティウス(ロムルスの父、偉大な神)
2月 Aprilis・・・アプリリス(アフロディテ、爛漫な春の神)
3月 Maius・・・マイアス(収穫、豊穣の神)
4月 Junius・・・ユニウス(ローマ最高の女神)
5月 Quintilis・・・クインティリス(数詞)
6月 Sextilis・・・セクステレス(数詞)
7月 September・・・セプテンベル(数詞)
8月 October・・・オクトーベル(数詞)
9月 November・・・ノヴェンベル(数詞)
10月December・・・デケンベル(数詞)
11月 冬籠り・・・不活動にて命名せず
12月 冬籠り・・・同上
ヌマ暦(BC710年)は、冬季の二つの月にそれぞれ命名。
1月 Martius
2月 Aprilis
3月 Maius
4月 Junius
5月 Quintilis
6月 Sextilis
7月 September
8月 October
9月 November
10月December
11月Januarius・・・ヤヌアリウス(ローマの門神ヤヌス)
12月Februarius・・・フェブルアリウス(贖罪の神)
BC153年、ヌマ暦が改革され、冬至明けを年初とすることとした。
1月 Januarius
2月 Februarius
3月 Martius
4月 Aprilis
5月 Maius
6月 Junius
7月 Quintilis
8月 Sextilis
9月 September
10月October
11月November
12月December
BC416年、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)がユリウス暦で強引に改名。
1月 Januarius
2月 Februarius
3月 Martius
4月 Aprilis
5月 Maius
6月 Junius
7月 Julius・・・ユリウス
8月 Sextilis
9月 September
10月October
11月November
12月December
AD6年、ユリウスの姪の子アウグストゥスも悪乗りして、改名。
1月 Januarius
2月 Februarius
3月 Martius
4月 Aprilis
5月 Maius
6月 Junius
7月 Julius
8月 Augustus・・・アウグストゥス
9月 September
10月October
11月November
12月December
で、現在のグレゴリオ暦(1582年10月04日の翌日は15日)の英語呼称は、
1月 January
2月 February
3月 March
4月 April
5月 May
6月 June
7月 July
8月 August
9月 September
10月October
11月November
12月December
なので、西欧圏では「七月」と書いて「クガツ」と呼ぶようなもの(p57)
となっている。