二光通販

今から30年前、さる新規通信会社の営業が仕事だった。
同僚は、某官営鉄道会社に技術職で入社した面々で、分割民営化されることになったので、新天地を切り開こうとして勇躍転社したら・・・営業に回された、という面々。
営業方針は、“気合と根性”で、各自これと思う会社に各々電話して訪問のアポを取り、売り込め!
というものだった。
その同僚に、2009年10月6日の記事に登場した松井さん、がいた。
彼は、一級建築士という華々しい資格を持ちながら、我々と一緒に専用線営業開拓をしていた。
彼が目を付けたのは、その頃少年向け雑誌によく広告を出していた「二光通販」。
広告上の住所は、
東京都江戸川区南小岩○-○-○
だったが、彼が電話をした結果、担当部署として指定されたのは、
千葉県柏市青葉台2丁目○番○号
にある、「本社」だという。
いきなり通信の難しい話になると建築士では対応できないので同行訪問を頼まれ、一も二もなく同意。
最寄りの駅は、常磐線南柏駅
当時、現在のような立派な駅ビルは無く、駅を降りたら、建物の隙間から畑が見えた。
聞いたようにバスに乗り、降り、歩いていくと、林と畑が広がっており、半信半疑で進んだ。住所の地にあったのはまったく目立たない事務所だった。
対応して下さった方が大変ユニークな方で、一筋縄では行かないことを力説され、脱力して辞去。
二人とも肩を落とし、南柏駅までは歩いて戻ったような気がする。
秋になると思い出す、松井さんとの思い出。
上記の住所は、現在のネット検索結果をぼかして貼り付けている。