毛沢東の私生活

著:李志綏
訳:新庄哲夫
文春文庫
召使にとって偉人は存在しない。
どんなに外面で良いことを言っても、自宅で召使に見せる面は違う、ということを言っている。
その国は、代々「一代皇帝」が生まれる風土がある。
権力の継承は為されず、死ぬまで第一人者の地位を全うする。
身近なスタッフは、公とは正反対の不純などろどろしたものを抱えて仕えなければならない。
ただし、おこぼれに与ることができる。
主人から遠ざけられたら身が破滅する事例を多々見ていることから、絶対服従
大きく躍進する政策が、(真逆の、)大きく衰退する姦策であったことを諌めた人物は失脚させられた。
彼はあまりの失策に生涯でただ一度の自己批判を行ったが、それで終わらなかった。
立て直しに当たった面々を資本主義の走狗と決めつけ、権力闘争を起こし、大混乱に陥らせた。
結局、万人に公平に訪れる死によってその生涯を閉じた。
本書は、その人に長年仕えた医者が著した。
ユン・チアン(張戎)の著書にも比する歴史的な本。