リバースエンジニアリング

かつて、1990年に転職した先では、構内ページング装置を輸入販売していたが、日本国内次世代移動無線関連に進出することを狙っていた。
当時の物は、自動車・携帯電話と呼ばれていた。
端末の小型化が急速に始まった頃で、1989年にJTACSのモトローラ製マイクロTAC:容積約300ccが発表され世の中の注意を引いていた。
それに対抗するためNTTは、1991年に、M社よりも更に軽量・最小の「超小型携帯電話・ムーバ(mova)」TZ-804型を開発した。
本体重量:約220g、容積200cc以下のその形態には驚かされた。
早速、P製の一台を手配し、本国の本社にリバースエンジニアリングのために発送した。
当時携帯電話は「レンタル制」で、電話番号にひも付された「現物」が無くなった!
ということは由々しき事態であった。
で、上司から命令されたのは、「携帯電話の紛失」手続きをすること。
今から思えば、十分ブラック企業の資格はあったね。
代表者の意向には逆らえず、千葉県の地下鉄某駅前の国家権力の象徴の詰所にのこのこ出かけた。
暇な(?)担当がワラワラ出てきて、架空の話を聞いた結果、遺失物届が受理された。
(本当かウソかを見分けるために、)同じ話を何回も何回も最初からやらされた記憶がある。
今から、28年前のことなので、「架空の遺失物届」の件は、もう時効になっているだろう。
人の道に背くことを強いるような会社にいることは嫌になったので、そのE社はそれからすぐ辞めた。
そうそう、件のムーバPは、数か月後に、「そっくりそのままの状態」で返送されてきた。