騙された話の後日談

掴まされた話の後日談
その後、住まいが兵庫県神戸市東灘区の独身寮に変わった。
やはりある日の午後寮に帰るべく歩いていると、
濃色のクラウンがスーッと近づき側で止まった。車内には二人の若い男の姿。
助手席側の男が、
「すみません、展示販売会で服地が余ってしまって、現金に換えたいんですが・・・」
又か・・・
応対する顔を向けたまま、腰を引きつつ、クルマの後ろに回りナンバーを記憶する。
中の男は、営業売り込み声から、
「早く出せ。」
という隣の運転手に言う台詞を残し、急発進し去っていった。
その足で2号線ロイヤルホスト隣の公衆電話に向かい110番に電話。
洋服詐欺に会いそうになったと告げるも、まったくその気なさそうな応対。
それにもめげずに、相手に車種とクルマのフルナンバーをとりあえず記録してもらい電話を切った。
半年ほど後、新聞に背広詐欺の悪人が検挙された記事が出た。
その通報が役に立ったどうかは、、、知らない。