地球46億年全史

著:リチャード・フォーティ
訳:渡辺 政隆  野中 香方子
草思社 2008年12月 発行
ISBN:978-4-7942-1690-8
原著は、2004年に英語初版が上梓されている。
前書「生命40億年全史」:1997年英語初版、に引き続くものだが、また違った語り口でページ数は多いが、飽きない。
本書は、Google Earthを傍らに開いて一緒に楽しむと一層理解が深まる。
現在地表上にある地球の陸地の佇まいが如何にダイナミックで激烈な地殻変動の賜物であったかを、高度を自在に、変化させ・ティルトさせることで反芻できるなんて、いい時代に生まれたもんだ。
古代の山脈の地質調査上重要なニューファンドランド島の項で、さりげなく触れている、ランス・オ・メドーであるが、その地はジャレド・ダイアモンド氏がその著書でコロンブスよりも約500年先んじてアメリカに到達していたヨーロッパ人(ヴァイキング)の入植地でもあり、カンブリア紀以来の邂逅であったのだ。
ヴァイキング達が、スクレリング(先住民)と友好的な関係を築き(魚介類を食し)、順調に南下していたら、今世界を席巻する言語は、北部ヨーロッパ語系になっていたかと思うと、実に興味深い。