ミニ・ディスク(MD)の終焉

一時代を築くことを目論んだ音楽メディア:ミニ・ディスク(略称MD)がその終焉を迎えた。
フィリップスが開発したコンパクトカセットテープ規格はランダムアクセス性に欠けていた。
コンパクトディスク開発は、そのフィリップスとの共同開発なので、うまみは少なかった。
光磁気ディスクの要素技術を展開させたMDは、SONYが独自に開発した。
ウォークマンのビジネスモデルを発展させ、ハードもソフトも取り込んだ美味しい商売になるはずだった。
が、過去の成功体験に囚われたことから、次世代の音楽聴取環境を構築することはできなかった。
世の動きは、ディスクメディアから、メモリメディア更にはネットメディアに進んでいたのである。
いち早くそれを掬い取ったのがご存知のiPOD(iTUNES)である。
ウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』にも、ソニーはそれができる環境にあったが、それができなかった。とある。
音楽業界にある根強いDRMの強迫観念は、アップルでしか打破しえなかった。
 
今、そのアップルの株価が一時期から低迷している。
周りが期待する「次」の製品が聞こえてこないからであろう。
世間は、冷徹だ。
会計単位ごとの利益の多寡により表層的に判断されるから、だが・・・
世の中の人は、「俺は、次にこれこれが欲しい」とは言わない。
ティム・クックCEOもつらいだろう・・・と思う。