沢木耕太郎による旅行記小説である。
26歳に設定されている著者は、1974年の旅をした10年後、本書を書き出した。
十分に咀嚼した後、世に出た効果は十分にある。
第一巻、香港の大小賭博の描写のスピード感は圧倒的である。
並みの書き手ではないことが如実に示される。
古今、多くの旅行者がいる。それぞれ内部での「旅行記」は存在するが、外部に表現しさらにその意味を考えさせるような種類のものは稀である。
芭蕉は、
古人も多く旅に死せるあり。
と記した。
どんなに稀有な体験をしても、そこで人生が終結してしまえば、灰燼と帰する。
記憶を留めた頭脳が健全な状態で帰国すること・・・これがなにより大事なことである。
 
さて、ウェブで読める旅行記といえば、
http://www.travelmate.jp/index.html
トラベルメイトの、
「片山君が行く」「田森君は西へ」
1970年大阪万博頃のお二方の旅行記は面白い。
 
もう一つ、
志緒野マリさんの、旅行記
http://www.amigo.zaq.jp/mariposa/
もお勧め。