フューチャー・オブ・マインド

―心の未来を科学する-
著:ミチオ・カク
訳:斉藤 隆央
ISBN:9784140816660
著者は、例の難解な「ひも理論」で知られる理論物理学者。
学問を考えるのは、人間の脳、ということで、なぜ・どのように脳内が働いているか・・・についてを物理学者が調べた本。
各種SF映画のワンシーンから題材を展開する親しみやすさと各章の最後に次章に展開する話題を配する読みさすさで、500ページを超えるがどんどん読める内容。
 
人間は、宇宙を意識することができる。
普段は特段意識しないその「自己意識」となんだろう。
「自己意識は、世界のモデルを構築し、自分がいる未来をシミュレートすることである。」p87
犬猫には、おそらく、明日という概念がないだろう。
その意識は、脳内の背外側前頭前皮質がCEO役として調停が為させた結果、とある。
CEOには、視野からの情報と海馬(過去の記憶)からの情報と扁桃核(感情を処理)からの突き上げが、どんどん殺到している。
さて、前頭前皮質は毎時の判断を迫られる、総合的にじっくり判断して決定することなんてとてもできない。
そこで支配的になるのは、扁桃核からのメッセージとなる・・・ことらしい。
その、扁桃核だが、p32に脳内各部の説明がある。前頁に脳内図がある。
海馬、視床視床下部前頭葉、下垂体等の部位が矢印で説明されている・・・
が、扁桃核が、無い。
これは説明不足ではないだろうか。
もうひとつ。
p64のサーモスタットの説明で、
温度が上がると金属が伸びるので、金属片がある長さ以上に伸びるとサーモスタットのスイッチが入るといった仕組み
とあるが、
温度が上がると金属が伸びるので、金属片がある長さ以上に伸びるとサーモスタットのスイッチが切れるといった仕組み
であろう。