地球学入門

−惑星地球と大気・海洋のシステム-
著:酒井 治孝
2016年3月
東海大学出版部
ISBN:978-4-486-02099-8
著者は本書「あとがき」で、大学教養レベルの地球科学入門書を目指した、とある。
第2版では、2015年に常総市を襲った関東・東北豪雨まで口絵に加えた時宜を得た内容に仕上がっている。
高校「地学」で取り上げられる内容から、専門的なコラムまで、現在我々が暮らす環境が如何に形作られてきたかを掘り起こすための絶好の書物である。
p107に、
中九州の別府-島原地溝帯は、南北引っ張りの状態にある
と記されている。
これは、奇しくも2016年4月14日に発生した熊本地震の発生メカニズムを事前解説したものではないかと思われた。
豊富な図版、分かりやすい解説で表題に恥じない絶好の入門書である。