探求

―エネルギーの世紀-
著:ダニエル・ヤーギン
訳:伏見 威蕃
日本経済新聞出版社(2012年4月)
ISBN:978-4-532-16831-5/978-4-532-16832-2
「エネルギー」というものは実態がよく分からないまま日常消費しているもので、「エントロピーの法則」により、常時無駄に失われて部分がある・・・という認識のものである。

本書は、現在日常的に「在る」ものが「誰」に寄って形作られてきたのかについて、あまり知られていない事柄を詳述する。
電気メータ:エジソンの秘書だった、サミュエル・インサル
原子力発電所原子力潜水艦の父、ハイマン・リックオーバー(リッコーヴァー)提督
ベンチャーキャピタル:米陸軍補給部にいた、ジョージ・ドリオット
ソーラーパネル王:中国の役所の手違いでオーストラリアに留学した、施正栄
いづれも、ウィキペディアでは見かけない内容で、興味深い。

自動車のエネルギーは今後どうなるのか、についても解説されている。
重要な基準は、環境とエネルギー安全保障とコストと性能のテストに合格する、効率が格段にいい自動車を世に出すことだ。この競争には、テクノロジーの大幅な進歩と数十億ドルの投資を必要とするし、政府の好みによって形作られるという面もある。(下巻p424)

今、実際に次期車検討をしているところだが、現状ではガソリンエンジン主体のクルマが主眼となる。5年後にはどのような展開が待っているだろうか。

些細なことだが、この種の書籍ならば、用語において
排気ガス”ではなく、「排ガス」と表記して欲しかった。