キヤノンは電気紙芝居の夢を見るか

テレビジョンセットにSED方式をひっさげて電子機器の雄が殴り込みをかけようとしている。
なんでも、画像映像機器の入力系については抜群のシェアを誇る同社も出力系はプリンタ、ファクス、コピー機の画像扱いしか持たないので、テレビ領域進出は悲願らしい。
ここで、同社がSEDをどのように売れば良いかを考えてみた。
世の中は、液晶とプラズマが席巻している。
一応、小型は液晶、大型はプラズマの棲み分けがあるようだが、お互いのテリトリーへの浸食の動きが急らしい。
いずれの陣営も、設備投資が生き残りの道、として莫大な資金を投入し、近づくオリンピック需要を、取り敢えずの売り上げ確保目標としてあてにしている、と思われる。
「六日の菖蒲(あやめ)、十日の菊」状態で市場に投入されるSEDは、如何なる戦略をなされるのか。
ひとつ、教訓がある。
かつて、強誘電体液晶なるテクノロジがあった。現在主流のTFTではないドライブ方式であった。画面が黄色っぽいという根本的な難点があったので、数が捌けず高価格のまま推移し、結局この不採算事業からは撤退を余儀なくされているのだ。
これをどのように反面教師として生かすかが、大きなヒントになると思われる。
小生は、SEDがどのような映像を再現できるかについては、全く情報が無い、全くの門外漢である。
すでに当初販売目標時期からは遅延しており、おそらく同社内某所では不眠不休の努力がなされているものとないか。
後生の語り草になるような、素晴らしい製品となって誕生することを楽しみにしている。
あと、売れるか売れないかは、品揃え(機種・機能)、である。
また買う方は、売り場でぱっと目立つのに傾きがちだが、その状態で自宅で再現したらギラギラして正視に堪えない。自宅用のしっとりモードは必須であろう。
でも最終的には、「価格」。
技術的には、先行者かも知れないが、テレビでは新参者ということをしっかり胸に刻んだ価格設定をしないと、せっかくの溜め込んだ利益がダダ漏れになるであろう。
安いヤツをお願いしますよ。