ロング・グッドバイ

レイモンド・チャンドラー著・村上春樹
早川書房
出版年月 2007年3月
ISBNコード 978-4-15-208800-0
税込価格 2,000円
 
ハードボイルドの代表作ともいえる作品。
いつも行く図書館に新入荷としてあった。
どこかで新訳がなされたと聞いていたのと、かなり以前(学生時代)週刊「プレイボーイ」誌でハードボイルド特集があったときに、ダシール・ハメットとともにこの世界の相壁を成す、という件を思い出して、そうか・・・と思い借りた。
一読。
死ぬ前に一度読んでおいて良かった。と思える作品であった。
見開き中に警句がないことがない。実に素晴らしい。
適切な章の息つきで、終末の幕の引き方まで、書を置くこと能ず、という感覚。
学生時代に読んだことがある大藪春彦の著作の語り口は、これの模倣か・・・と思い至った。
 
さて、書中405頁、「アモンティラードを私はいただこう。」に引っ掛かった。
記憶では、この上級辛口シェリー酒の呼称は、「アモンティヤード」であった。
検索してみた。
Yahoo!ジャパン・トップから検索
アモンティヤード で検索した結果  / 約158件
アモンティラード で検索した結果  / 約297件
次に、Google・トップから検索
アモンティヤード の検索結果 約 742 件
アモンティラード の検索結果 約 1,260 件
で形勢不利となった。
この点は、翻訳者も当然ご存知のことで、Amontilladoをどのように発音するかの解釈、即ち、Jerez:ヘレスを、Sherry:シェリーと発音した米国風に倣った表記である、ということに思い至った。
おそらく、米国で人口に膾炙している表現の方を採用したのだろう。