時間と宇宙のすべて

著:アダム・フランク
訳:水谷 淳
早川書房 (2012/04/25 出版)
ISBN: 9784152092939
本書は、今年発行なので、宇宙物理学の最新学説が紹介されている。
本書は、まず太古の人類の時間に対する概念の歴史を紹介する。
それ以降、時間の扱いがどのように変化したかが述べられる。
バビロニアの商人にとっての一日は、イギリスの織物工場の労働者にとっての一日とはまったく違い、さらにその一日も、今日わたしたちが過ごしている、携帯電話とフェイスブックと電子カレンダーの日々とはあまりにかけ離れている。(p410)
1999年にブライアン・グリーンが大ベストセラー『エレガントな宇宙』を出版し、ひも理論いう言葉は、テレビ番組からポピュラー音楽まであらゆるものに登場するところとなった。(p338)
以降、ブレーンワールド宇宙論、永久インフレーション、多宇宙、等の各種理論が毎年のように発表されている。
宇宙物理学の分野では、最新の本が最新の学説を紹介しているので、追いかけて取り残されないようにすることが肝要だ。
本書の表現は、原語がおそらくそうであったのだろうが・・・いささか持って回ったような難しい言い回しを多用しているところにおいて、理解を妨げるようなところが多々あった。