死後の世界は普遍的ではない

天声人語で、高名なご夫婦がお亡くなりになった後、
「いまごろは、水入らずの時を楽しんでいるのにちがいない。」
とあった。
死後の世界が存在するという死生観に基づいているようだ。
生存人間には決して覗けない「死後の世界」。
その世界観は宗教によって大きく異なる。
なぜだろうか。
それがあるものなら、さほど変化ない普遍的なものと思うが、現実には違っている。
生きている人間がそのときそれぞれの状況から説明を試みたものだから、変化することはやむ負えない。
天国も地獄もその概念を作ったのは、やはり向う三軒両隣にちらちらするただの人である。
唯物論も一種の宗教だと断じる向きもある。
としたら、死後の世を肯定するような表現は好ましくないと思う。