いじめは生存戦略だった!?

―進化生物学で読み解く生き物たちの不可解な行動の原理-
著:小松 正
秀和システム(2016/12発売)
ISBN:9784798048185
題名によると、いじめに対する傾向と対策が分かるような気がするが、そのような本ではない。
一般に用いられている「進化」という言葉は、「進歩」と誤解されていて、その真の意味を、歴史的に語り起こしている部分は、著者が良く理解できていると思われることから、よく分かる。
書中、長谷川真理子氏の引用として、宗教的概念が人間の社会生活の中で果たしている機能の説明(p147)
・因果的説明
・道徳的判断基準
・死後の世界を説明
・救いを与える
・内集団の結束と外集団との闘争
は、ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」の内容を整理する理解を与えてくれた。