資源物理学入門

NHKブックス
1982年
ISBN: 978-4140014233
ロジャー・ペンローズの「宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか」で、熱力学第二法則エントロピー増大則つながりで見つけた本。
なぜエントロピーが増大するのか・・・の分かりやすい答えは、それは「汚れ」であると説明している。
例えば、「高温」と「低温」が接触すれば、「中間」の温度に収束していく。
「中間」の温度のものが自律的に「高温」と「低温」に分離していくことはない。
物体やエネルギーが拡散するという熱学第二法則は、汚れる方向に物事は進行するといいかえてもよい。p65
本書では、文明の歴史についても述べている。
日頃は意識しないが、現代は「石油」文明であるとして、消費先は、
電力、移動用動力、工業燃料、原料、その他
であると述べる。
次世代エネルギー源として言われているものは「電力」のみであり、故障や事故に必要な投入エネルギーが何ひとつ計上されていない。p84
という。
確かに、福島で今後長年必要とされるエネルギーとそれ自体が営業運転中に生み出したものとの収支はどうなるのか・・・疑問が生じた。
書中後半の「共生の理論」以降は、著者が別に主張している「地球温暖化に対する懐疑論」を含め、共感することはできなかった。